ダイナミックマッププラットフォームは2026年7月、Esri社が運営するEsri Partner Network(EPN)へ参画し、北米約156万kmをカバーする高精度3次元データを基盤とした地理空間データを、同社の地理情報システム(GIS)プラットフォーム「ArcGIS」を通じて提供していく方針を発表しました。
さらに8月には、米国ワイオミング州を対象とした道路カバレッジ、道路標識、構造物クリアランスに関するサンプルデータをArcGIS上で公開しています。
公開URL: https://dynamicmapplat.maps.arcgis.com/apps/dashboards/b12417b48e744851ad9b6b4bf2a866d9
高精度3次元データとは、道路や周辺環境を高精度にデジタル化した空間データです。自動運転やADAS向けの活用で知られていますが、その中には道路管理やインフラ維持管理にも活用可能な多くの情報が含まれています。
本コラムでは、8月に公開したサンプルを例に、高精度3次元データからどのような道路空間情報を抽出・整備できるのかをご紹介します。
高精度3次元データには何が含まれているのか
高精度3次元データには、道路や車線の形状だけでなく、道路標識、橋梁、トンネル、ガードレールなど、道路周辺設備の位置や形状に関する情報が含まれています。
ダイナミックマッププラットフォームでは、LiDARや高解像度カメラを搭載したモービルマッピングシステム(MMS)を用いて道路空間を計測しています。取得されたデータは、最大約3mmのLiDAR計測精度、約1,000点/㎡の点群密度、最大7,200万画素の360度画像を備えており、道路空間を高い精度でデジタル化しています。

道路標識の位置だけではない。種類や規制内容も把握可能
道路標識データというと、「どこに標識があるか」を示す位置情報をイメージするかもしれません。しかし、高精度3次元データからは、それ以上の情報を抽出できます。
例えば8月に公開したサンプルでは、
- 標識の位置情報
- 標識種別
- 制限速度値
- 標識の高さ
- 設置方向
- 設置形態
などの属性情報を確認できます。
つまり、「標識が存在する」だけでなく、「どのような標識が、どこに、どのような向きで設置されているか」まで把握できるのです。

道路管理者にとって標識は重要な道路資産の一つです。こうした情報を地理空間データとして管理することで、点検や台帳整備、維持管理業務の効率化につながることが期待されます。
構造物クリアランスデータも抽出可能
構造物クリアランスデータも、高精度3次元データから生成できる情報の一つです。道路上の構造物について、高さ方向のクリアランス情報や位置情報を把握することができます。
今回公開したサンプルでは、橋梁やトンネル、高架構造物などの構造物について最低クリアランス高や位置情報を確認できます。

構造物の高さ情報の維持管理は重要な課題です。舗装工事などによってクリアランスは変化することがあり、最新情報を維持することが求められています。
自動運転で培ったデータを社会インフラ分野へ
当社はこれまで、自動運転分野を中心に高精度3次元データの整備を進めてきました。しかし、道路空間を高精度にデジタル化したデータには、自動運転以外にも多くの活用可能性があります。
道路標識の種類や規制内容、構造物クリアランスデータなどはその一例です。8月に公開したサンプルは、高精度3次元データからどのような情報を抽出・整備できるのかを示す取り組みの一つです。
当社は今後も、高精度3次元データを社会インフラを支える空間情報基盤として提供し、道路管理やインフラ維持管理、防災、都市計画など幅広い分野でのデータ活用を推進してまいります。
ArcGIS上で公開しているサンプルデータはこちら:https://dynamicmapplat.maps.arcgis.com/apps/dashboards/b12417b48e744851ad9b6b4bf2a866d9
