2026年2月、Dynamic Map Platform North America, Inc.(以下、DMP NA)は、新たな社長として Rajeev Joshiを迎えました。現場と経営の双方を知るリーダーとして、Rajeevはどのような視点で北米事業の舵を取ろうとしているのか。就任後の率直な所感、これまでのキャリア、DMP NAの強み、そして日本を含むグローバルチームとの連携について話を聞きました。

変化の局面で求められるリーダーシップ
―DMP NAの社長に就任されて、率直なご感想をお聞かせください。
Rajeev Joshi(以下、Rajeev): Chrisの勇退後、この役割を引き継ぐことになり、大変光栄に思っています。
DMP NAは現在、事業基盤の強化と成長加速に向けた重要な局面にあります。これまで培ってきた強みを活かしながら、今後どこに注力すべきかを明確にし、より競争力のある事業の構築に取り組んでいきたいと考えています。
―就任直後に全社員ミーティングを実施されたと伺いました。狙いは何だったのでしょうか。
Rajeev:組織が変化する局面では、リーダーが方向性を明確に示すことが重要だと考えています。私は、事業がどこを目指しているのか、そして一人ひとりの仕事が顧客や事業価値にどうつながっているのかを分かりやすく伝えることを大切にしています。
就任直後の全社員ミーティングも、その考え方を実践するための機会でした。現在の立ち位置や成長機会、重点領域を共有し、組織全体で共通の方向性を持つことを重視しました。チームが同じ目標に向かって進める環境を整えることが、リーダーの重要な役割だと思っています。
モビリティ業界での30年以上の経験が形づくる経営観
―これまでのご経歴について教えてください。どのような経験が今につながっていますか。
Rajeev:私は30年以上にわたり、自動車およびモビリティ技術分野に携わってきました。キャリアはFord Motor Companyから始まり、その後、Visteon、Magna、KPITテクノロジーズなどで上級管理職を務め、ソフトウェア開発、プロダクトマネジメント、プログラム実行、組織のリーダーシップを担当してきました。
高精度地図、先進運転支援システム(ADAS)、インフォテインメント、電動化、テレマティクスなど、領域は幅広いですが、一貫して重視してきたのは「品質」と「信頼性」です。安全性が強く求められる領域で、現実的な計画を立て、測定可能な形で実行し、リスクを管理しながら提供価値を高める。こうした経験は、高精度な地理空間プロダクトを支える経営の考え方にもつながっています。

―ソフトウェア分野での経験は、経営にどのように活かされていますか。
Rajeev:ソフトウェア分野での経験は、経営においても「規律」をもたらします。現実的な計画立案、品質保証、リスク管理、そして実行を測定可能にすること。これらは自動車や地理空間インフラのような、安全性と信頼性が重要な業界では欠かせません。
同様に重要なのは、技術的な意思決定がどのようにビジネス価値につながるかを理解することです。ダイナミックマッププラットフォームにおいては、自動化や高度なデータ活用によって効率性を高め、データの鮮度と品質を維持し、総合的な競争力を強化することが重要だと考えています。
北米市場がもたらす成長機会
―DMP NAを、どのような組織・ビジネスにしていきたいとお考えでしょうか。
Rajeev:私はDMP NAを、高精度な地理空間データとデジタルインフラを提供することで、ADAS、自動運転、そして次世代モビリティサービスを支える存在へと成長させたいと考えています。
モビリティがソフトウェア中心へと進化する中で、高品質な地理空間データの重要性はますます高まっています。私たちの役割は、お客様がより安全で信頼性の高いモビリティサービスを実現できるよう支援することです。
ここで重視しているのは、成長そのものを目的にしないことです。強固な顧客関係、グローバルな連携、継続的な改善に支えられた、規律ある持続的成長を目指します。そのために、優先事項を明確にし、一人ひとりが自らの仕事と顧客価値とのつながりを理解できる組織をつくっていきたいと考えています。
―北米市場におけるダイナミックマッププラットフォームの強みはどこにあるとお考えですか。
Rajeev:北米市場においては、高精度地図に求められる要件が年々高度化しています。その中でDMP NAの強みは主に3つあります。第一に、自動車メーカー向けの量産プログラムを支えてきた実績です。信頼性・安全性・品質が求められる本番環境で培った経験は、私たちの大きな強みです。第二に、車線レベルや地方道路のマッピングにおける深い専門性です。ADASの運用領域が拡大するにつれて、こうした精度と網羅性はより重要になります。第三に、スケーラビリティ、データの鮮度、効率性への期待に応えるため、技術と運営モデルの両方を進化させる適応力です。
―北米事業の成長は、グループ全体にどのような価値をもたらすべきでしょうか。
Rajeev:北米はモビリティと先進運転技術において、非常にダイナミックな市場です。DMP NAは、顧客との距離の近さや市場から得られるリアルタイムの洞察を通じて、グループに価値を提供できます。
加えて、北米で培われた業務の自動化、変革マネジメント、規律ある実行力といった運営の実践は、各地域で標準化・再利用が可能であり、グループ全体の効率性や一貫性、スケーラビリティの向上にもつながると考えています。

日本とNA、それぞれの強みをつなぐ
―人材・組織運営で、特に大切にしていることは何でしょうか。
Rajeev:品質、信頼性、プロフェッショナリズムへのコミットメントです。これは顧客やパートナーからの信頼を獲得し、維持するために不可欠です。
そのうえで、私は「オーナーシップ」と「ワンチーム」のマインドセットを重視しています。個人が成果に責任を持ち、共通の目標に向けて部門や地域を越えて協働する。その姿勢が組織の基盤になります。
―日本を含むグローバルチームと協働するうえで、最も重視していることを教えてください。
Rajeev:方向性の統一、透明性、相互尊重です。優先順位が明確で、コミュニケーションが一貫していれば、グローバルな協働は大きな競争優位になります。
私の目標は、地域を跨ぐチームが、共通のストーリー、明確な役割分担、そして成功に対する共通認識を持って活動できるようにすることです。日本とNAはそれぞれ異なる強みを持っています。それらを透明性の高いコミュニケーションと説明責任によって結び付けることで、お客様への提供価値を高め、より競争力のあるダイナミックマッププラットフォームグループを築いていきたいと考えています。
休日は家族との時間とスポーツ観戦
―少しだけパーソナルなお話も。休日はどのように過ごされていますか。
Rajeev:家族と過ごす時間を大切にしています。加えて、読書や音楽(ピアノ)を楽しんだり、最近は軽いスポーツにも取り組んでいます。新しいことを始めるのは良い気分転換になりますね。
また、地元デトロイトのスポーツはよく見ます。特にアメリカンフットボールはシーズンが比較的短く、試合数も限られているので、注目して見ています。

統一された組織として次のステージへ
―最後に、社内外のステークホルダーへメッセージをお願いします。
Rajeev:まず社内へ。皆様の献身とプロフェッショナリズムに感謝しています。DMP NAは、安定性と明確性、そして持続可能な成長に焦点を当てた新たな段階に入っています。私は長期的な視点を持ってリーダーシップを発揮し、皆さんとともに強固な未来を築いていきます。
社外のステークホルダーの皆様に対しては、規律ある実行と長期的な価値創造を通じて、グループ全体で戦略と業務を整合させ、統一された組織として責任ある成長を続けていくことをお約束します。
おわりに
DMP NAは、高精度な地理空間データを基盤に、ADASや自動運転、次世代モビリティの発展を支えながら、北米市場における事業成長と顧客価値の向上を目指しています。Rajeevのリーダーシップのもと、グローバルな連携をさらに強化しながら、ダイナミックマッププラットフォームグループとして持続的な成長に向けた取り組みを進めてまいります。今後の展開にぜひご注目ください。
