“AI for Data” & “Data for AI” 当社の高精度3次元データとAIの関係性とは

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“AI for Data” & “Data for AI” 当社の高精度3次元データとAIの関係性とは

近年、驚異的な進化を見せている人工知能(AI)。AIはさまざまな業界で導入が進んでいますが、当社グループでは、”AI for Data” と “Data for AI” という2つの方向から活用を進めています。

今回、私たちの提供する高精度3次元データとAIの関係性について、当社グループ会社のDynamic Map Platform North America, Inc.(DMP NA)のRajeev Joshi(ソフトウェアエンジニアリング担当Senior Director)が、解説するコラムを寄稿しましたので、その和訳版を紹介したいと思います(原文は英語版サイトのコラム「Intelligent Maps, Powered by AI – Fueling the Future of Mobility & Autonomy」 でご覧いただけます)。

AI搭載のインテリジェントマップがモビリティと自律走行の未来を牽引

当社グループでは、人工知能(AI)をイノベーションの核心に置き、よりスマートな高精度3次元地図データの生成を推進し、次世代のモビリティを牽引していきます。私たちはAIを2つの革新的な方法で活用しています。「AI for Data」と「Data for AI」の二つの柱です。

AI for Data:よりスマートな高精度3次元地図データの作成へ

“AI for Data” 、つまりAIが当社グループのデータ制作にどのように使われているか?をまずはお伝えします。

高精度3次元地図データの開発には、「精度」と「効率」を両立させることが必要不可欠です。私たちはこの約10年ほどの間、AIと機械学習を活用してデータ生成プロセスを磨き上げてきました。競合他社が、物標情報の抽出作業、より高い精度の実現とその検証、それによるコスト増のジレンマ、といった課題に直面する中、当社グループはAIの効果的な活用によりこれらの課題を強みに変えてきました。

AIの活用は、マッピング作業の重要な部分を自動化することに大きく貢献し、HDマップ開発の効率化と全体的な品質向上の両面で、大幅な改善を実現しました。

私たちは画像分類、CNN(Convolutional Neural Network/畳み込みニューラルネットワーク)、カーネル密度推定、GAN(Generative Adversarial Networks/敵対的生成ネットワーク)、教師なし学習と回帰、エキスパートシステム、自動グラフ分析、HMM(Hidden Markov Model/隠れマルコフモデル)といった高度なAI技術をシームレスに統合し、以下を実現できるようになりました。

  • 自動的な抽出と地図作成 地形や属性などをAIで自動抽出することで、地図データ生成を高速化(例:CNN交通標識検出、自動ターン操作)
  • 品質保証と検証  AIによるデータ検証を実施し、センチメートル単位の精度と一貫した高品質を保証
  • 変化の検出と管理 地図の変化点をAIで効率的に検出・更新し、データを常に最新状態に保持
  • スマート分析 空間データをもとに、より深く、かつ具体的な方向性をAIで導出
図1: CNNベースの交通標識検出分類器
図2: 生成型ターン操作のためのグラフネットワーク解析

その結果、このようなAI活用により、データ生成にかかる作業プロセスの効率化およびコストの大幅な削減に成功しました。

当社グループは、比類なき高効率・高品質にて高精度3次元地図データを提供しています。今後も引き続きAIをはじめとする新しい技術の導入を推進し、作業プロセスの改善に取り組んでいきます。

Data for AI:次世代モビリティと自動運転の未来を牽引

次は “Data for AI” 、当社グループのデータがどのようにAIに貢献するか?についてです。

当社が長年かけて磨き上げてきた、膨大な高精度3次元地図データは、単にビジュアル化の目的で制作されたものではありません。ADAS(先進運転支援システム)を駆動させ、完全自動運転車の開発を加速させるための、AIへの高精度トレーニングデータとして機能するのです。

当社の高精度3次元地図データは、モビリティ分野においてAIの力を最大限に発揮させるために必要となる、空間認識能力の理解を深めるためのツールとして貢献します。なお、Data for AIについては、現在複数のパートナーと取り組みを進めておりますので、今後順次発表してまいります。

みなさん、ぜひ当社グループとパートナーシップを組み、インテリジェントな高精度3次元データを活用して、モビリティと自律走行の未来を共に牽引していきましょう。

筆者
Rajeev Joshi

Senior Director (Software Engineering), Dynamic Map Platform North America, Inc.

Rajeev Joshi

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